エピジェネティック療法研究会 第7回講演会

こんにちは。澤登です。

2月21日(土)、私が代表幹事を務めるエピジェネティック療法研究会の第7回講演会が行われました。

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基調講演1では、
京都大学iPS細胞研究所初期化機構研究部門 山田泰広教授に、
「iPS細胞作製技術を用いた癌研究」というタイトルで、
遺伝子変異によらないがん化の仕組みについてご講演いただきました。


がんは遺伝子変異の積み重ねで起こると考えられていますが、
エピジェネティックな変化だけでがんができることを世界で初めて実証したとても素晴らしい研究内容でした。


基調講演2では、
ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャーの桜田一洋先生に、
「ライフコースデータに基づく先制医療の実現
〜環境型エピジェネティック修飾を介した疾患発症を制御する〜」というタイトルで
ご講演いただきました。


ウェアラブルセンサーなどを用い心と身体を見える化することで、
疾患の予測あるいは予防を可能にする医療システムの構築について、
エピジェネティクスという視点から分かりやすく解説していただきました。


その後、北里大学医学部 外科学講座 講師の山下継史先生より、
「ヒト癌におけるフェニルブチレート感受性に関する探索的研究により
同定したバイオマーカー候補としてのDNAメチル化遺伝子〜」というタイトルで、
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるフェニルブチレートのヒト乳がん細胞に対する効果と
バイオマーカー同定に関する研究結果をご発表いただきました。


これに関連して、フェニルブチレートが有効であった
標準治療抵抗性卵巣がん症例を私から報告させていただきました。


演者の先生方によるパネルディスカッションでは、
フロアからも質問が多くみられ、活発な討論が行われました。



7回目を迎えた本研究会講演会は、
ミクロからマクロ、基礎から臨床と非常にバランスのとれた講演内容であったと思います。
参加者も回を重ねるごとに増え、また、非常に熱心に聞き入っていたようでおり、
研究会発足当初から目指していた研究会の姿に近づいてきたと感じています。


次回の開催は、2016年2月末の予定です。
詳細が決まりましたら、このblogでもご案内させていただきます。